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SK820

     SK820とは    

 「地下の正倉院」とも呼ぶべき歴史の宝庫平城宮。50年に及ぶ発掘調査によって徐々にその姿を現わしつつある。発掘調査で見つかる木簡は、「地下の正倉院」の精髄ともいってよく、まさに「地下の正倉院文書」と呼ぶに相応しい。
 内裏北外郭官衙のゴミ捨て穴SK820の木簡は、聖武天皇が5年ぶりに平城宮に戻った745年(天平17)から747年頃使われたもの。都の東郊では大仏の造立が始まり、平城宮でもあちこちで槌音が響きわたる。内裏とその周辺の役所の改修工事に伴うゴミが、今回重要文化財に指定された木簡の源となった。
 日本で千点を超える規模の木簡群がみつかったのはSK820が最初。1300年近く昔に捨てられたたくさんの木片が、腐りもせずにこんなに墨痕鮮やかなままに眠っていたとは! 日本の本格的な木簡研究の黎明である。木簡の整理・解読のノウハウは、SK820出土木簡の整理・解読の過程で築き上げられた。その意味で、日本の木簡研究の基礎を作った木簡群といってよい。

   

SK820の土の堆積状況。
底に近い部分に有機物を多く含む土が層状に存在する。1700点余の木簡も、この土中から出土した。
SK820は、平面ほぼ方形を呈するゴミ捨て穴である。比較的垂直に近く掘られ、しかも土が崩れた痕跡もない。土の堆積状況ともあわせて、短期間に利用され、埋め戻されたことがわかる。