木簡総合コミュニティサイト [木簡ひろば] 奈良文化財研究所

木簡の理由

なぜ、木に文字が書かれたのでしょうか。紙の文書と比べてみましょう。
木の札は、紙と比べると、
堅牢
削って修正・再利用ができる
といった利点と、
書写できる面積が小さい
というような欠点がある、と指摘されています。

中国では、紙が発明される前に、竹簡や木簡の時代がありました。
そうした時代には、竹簡・木簡を紐で綴じる「冊書」として利用され、上記の欠点を補っていました。

日本では、文字が本格的に利用される時代にはすでに「紙」も伝わっていたと考えられています。
ですので、日本では冊書の例は知られていません。
一方で木にも字が書かれました。
このように、紙と木をそれぞれの特徴に応じて利用している状況を、紙木併用とよびます。

奈良時代には、非常に多くの木簡が利用されました。
その理由として、紙が貴重だったため、手に入りやすい木に文字を書いた、という説明がしばしばなされます。
現在の研究では、紙が貴重だった、というのは理由の一部である、とされています。
堅牢な書写材料が必要な場合、木が積極的に用いられたりするように、
利用目的に応じて紙と木が使い分けられていた
と考えられています。